印鑑証明の代わりにするサインの認証とは?


相続手続きの際に、海外の裁判所や銀行に日本の相続人が書類の提出を求められたときに、どうしたらよいのでしょうか。

親子関係といった法的な関係を証明するには、日本には戸籍があります。戸籍の謄本(抄本)は公的な証明書ですので、日本の外務省でアポスティーユ(ハーグ条約に加盟していない国は大使館などでの認証と公印確認)を付けることで、日本の公的な証明書です!と海外の提出先に示すことができます。

では、続財産の内容は分割割合などを取り決めた文書の提出が必要となった場合はどうしたらよいでしょうか? 公的な書類ではなく、私文書に当たりますね。

日本では相続人の間で合意がある場合は、一般的には遺産分割協議書に相続の内容を記載して、印鑑と印鑑登録証明書を付けることで、本人が正式に了承したとなります。

一方、海外には印鑑登録の制度になじみがありません。そこで、印鑑の代わりに、本人が文書にサインをして、それを公証役場で認証する「外国文認証」をすることで、日本の公的な機関が本人と確認をして文書を作成したことが証明できます。

いわゆる海外向けの私署証書、サイン証明とも呼んでいます。

日本公証人連合会HP 外国文認証

さらに、その文書が日本で正式に作成されたものとして証明するのが外務省で受けるアポスティーユです。

幣事務所で過去に海外の相続手続きでサイン証明の手続きをサポートしたケースをご紹介します。

ブラジルに不動産を所有していた日本人が亡くなり、日本に住む妻と子供が相続人となりました。

相続財産がブラジルにあるため、ブラジルの裁判所で相続手続きが行われることになりました。日本の家族はその不動産をブラジルに住むとある方に譲渡するために、その旨を宣誓書という形で正式な文書を作ってブラジルの裁判所に提出する必要がありました。

そこでポルトガル語で作成した宣誓書1枚にご家族分の署名欄を作って全員が公証役場に出向き、サイン証明を受けました。

都内の公証役場だったため、公証役場でアポスティーユも受けることができ、それをブラジルの裁判所に提出することができました。

こうした書類の作成で一番重要なのは、提出先の機関がその内容で良しとするか、です。

裁判所や銀行が受理する内容を書かないと、せっかく日本で手続きをしても目的が果たせません。

まずは海外の提出先に記載する必要がある内容を確認し、それを元に公証役場と進めていく流れになります。

幣事務所では公証役場での手続きやアポスティーユについてもお手伝いしています。

お気軽にご相談ください。

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